Chapter 90 of 126

皆にて褒める人もなく皆にて謗る人もなし

読了目安 約2分 ・ 最終更新 2026年7月
この話が寄り添う心: 自分との向き合い方
皆にて褒める人もなく皆にて謗る人もなし

皆にてほむるひともなく皆にて謗る人もなし

どうしたら相手の目によく移ることができるだろうかと思うあまり、疲れてしまうことがあります。外ではとても社交的で、愛想がよくて元気で張りきれるけれど、家に帰ったらどっと疲れが出てしまう。こんなことはないでしょうか。
みんなに好かれようとすると、自分の言いたいことも言えなくなります。また、当たり障りのないことしか言えなくなって、結局薄っぺらい人間関係しか作れなくなります。せっかく自分を抑えて我慢しても、「あの人は周りに合わせてばかりで、自分の考えや意見がないね」「個性がなくてつまらないね」と言われ、悲しい結果になることもあるでしょう。
しかし、みんなから好かれるということは、そもそも出来ないことなのです。

お釈迦さまは、
皆にてほむる人はなく、皆にてそしる人はなし
と言われています。

どんなに立派な人でも、全ての人から好かれることはなく、どんなに嫌われている人でも、全ての人から嫌われることはないという意味です。
人間の好き嫌いは、その人の都合によって決まります。自分にとって都合のよい人は好きな人、自分にとって都合の悪い人は嫌いな人になるのです。

たくさんの人が集まれば、全員の都合や利害が一致することは絶対にありません。つまり、どんな立派な人でもみんなから褒められることはありません。

お釈迦さまでさえ、当時の人たちの三分の一はお釈迦さまの存在を知らず、三分の一は、変なやつが現れたと非難して、あとの三分の一が尊い方だと称賛したといわれます。
お釈迦様でさえも、そうなのですから、間違いだらけの私たちが、「みんなから好かれる」ということは、ありえません。それなのに、そんな不可能なことを何とか実現しようとして無理にいい人の仮面をかぶって、くたびれてしまう人が多くいます。
他人がそれぞれあなたに要求する「いい人」のタイプは違います。たくさんの人の要求に応じようとしたら、たくさんの仮面を用意しなくてはなりませんが、それには限界があります。つまり、私たちは誰からもいい人でいることは不可能なのです。
逆に、皆にてそしる人はなしとお釈迦さまが言われるように、あなたがどんな状況であっても、全員から嫌われるということはありません。あなたの周りには、あなたがどんな状況になろうとも、あなたを支えてくれる人がいるのです。
みんなから好かれることを求めて、無理な仮面をかぶって疲れるよりも、あなたの素顔に気づいて理解してくれる人を大事にしましょう。

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